カーオーディオのパワーアンプのゲインをオシロスコープで調整してみました。

調整用音源の準備から測定方法までを紹介します。

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簡易オシロスコープを購入してみた

昔、学校の理科室などで見たオシロスコープは大きくて重くて素人が買う様な物ではないと思っていました。

ゲイン調整の為だけに購入する事は全く考えた事はありませんでしたが、調べてみると簡易的な物なら安価に購入できる事が分かりました。

とりあえず、「周波数」、「波形」、「電圧」が見られればOKなので高精度の物は必要ない事と失敗したとしても落ち込むほどの金額ではなかったので思い切って購入する事にしました。

今回購入したオシロスコープは本来は組み立てキットらしいですが、完成品も売っていましたのでそちらを購入しました。

このオシロスコープは9Vで動作する製品ですが、電池を内蔵するスペースがありませんので電池BOXを外付けするか、ACアダプターなどで電源を供給する必要があります。

今回購入したセットにはACアダプターが付属していたので、車のシガーソケットに接続するDC-ACコンバーターを使って電源供給しました。

調整用音源を準備しよう

オシロスコープで測定するためには一定の周波数のテスト信号が必要となります。

テスト信号はCDに焼いたり、USBメモリーやSDカードに書き込んでデッキやナビで再生させる必要があります。

具体的にはミッドレンジ用とツィーター用に「1kHz、0db」のサイン波、サブウーファー用に「100Hz、0db」サイン波などの信号が必要となります。

これらのテスト信号はフリーソフトで作る事ができますので作り方を紹介します。

テスト信号発生ソフト「 WaveGene」をダウンロード

テスト信号は「WaveGene」というソフトで作る事が出来ます。

 

「WaveGene」ダウンロードはこちら→http://efu.jp.net/soft/wg/wg.html

 

ページの下の方にダウンロードリンクがありますので「 WG150.ZIP をダウンロード」と言う部分をクリックしてダウンロードします。

1000Hz(1kHz)60秒の信号(Waveファイル)を作ってみよう

ZIPファイルを解凍してフォルダーを開くとこの様になります。

 

フォルダー内の「WG.EXE」をクリックするとソフトが立ち上がります。

 

「Wave1」の部分で「サイン波」を選択します。

 

周波数で1000Hzを選択します。

 

再生秒数を選択します。

 

秒数の左にある「Waveファイルへ出力」を押して任意の場所に保存して完成です。

自分が必要とする波形や周波数、再生時間を設定すると好きなテスト信号を作る事ができます。

測定方法

測定する部分はデッキ(ナビ)からの信号(RCAケーブル)とアンプ出力部分の信号です。

アンプの出力部の測定はアンプの「+」にオシロの「赤」、アンプの「-」にオシロの「黒」を接続します。

 

RCAケーブルの測定は中心部にオシロの「赤」、外側にオシロの「黒」を接続します。自分の場合はRCAのメスコネクターを準備して配線を作りました。

 

準備したテスト信号をリピート再生します。テスト信号を再生する際はDSPやラウドネス、イコライザーなどの音響セッティングは全てフラットにする事を忘れない様にして下さい。

 

音響セッティングのON、OFFの違い

アンプのゲインは信号が歪んだ部分からボリュームを下げていき、歪まなくなった部分に合わせれば良いらしいですが、サイバーナビ(AVIC-CZ901)は音響セッティングの有無で波形が変化します。

サイバーナビの場合、音響セッティングをフラットにすると最大ボリュームでも歪はでませんでした。

 

しかし、ラウドネスをONにすると波形が歪んでいる事が確認できます。オシロスコープで確認するまで分かりませんでしたが音響セッティングを入れると歪んだ信号を増幅している事になるんですね。

実際は最大ボリュームで聞く事はないので、通常のボリュームでは歪んだ感じはありませんが、こうして表示を見てしまうとフラットが一番ですね。

今回はアンプのゲイン調整が目的ですから歪が出ない状態で調整するために音響セッティングをOFFで測定します。

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定位が良くなりました

自分が使用しているアンプはフロントにカロッツェリアのPRS-A900(4ch)、サブウーファーにPRS-D700(2ch)を使用しています。

アンプのゲイン調整つまみは写真の様にアナログボリュームです。合計6個あるのですが何となく隣と同じ様な位置に合わせていました。

RCAケーブルからの信号を測定してみると6本のケーブルで±0.1V程度の差がある事が分かりました。

サイバーナビはスピーカー出力を調整できるのでナビ側の調整でRCAケーブルの電圧を合わせる事ができますが、そちらで調整するよりもRCAケーブルをアンプに接続した状態でゲインを調整してスピーカー出力端子からの数値を合わせる事にしました。

ナビのボリュームを最大ボリューム(40)の7~8割のボリューム(30)に合わせてテスト信号を再生し、スピーカー出力から歪が無い状態のゲインを探りました。基準となるゲインが分かったので微調整して6chが同じ数字になる様に調整しました。

調整後は歪感が大幅に減少し、スピーカーの音量も整った印象になりました。タイムアライメントやスピーカー出力を調整してもずれていた感じの定位が思った位置に調整できるようになりました。この程度の値段でオシロスコープが購入できるならアンプのゲイン調整には必須アイテムだと思います。

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